天は人の上に人を作らず人の下に人を作らず

「情けは人のためならず」
ということわざを
「情けをかけて甘やかしては
その人のためにならないからかけてはいけない」
だと思ってる奴は意外に多い

正しくは
「情をかけておけばいつか自分に帰って来るからかけなさい」
なのであるが・・・

同じように勘違いの多いのが
「天は人の上に人を作らず人の下に人を作らず」
という福沢諭吉の言葉である

多くの人がこの言葉は人類普遍の平等を説く
すばらしい言葉だと思っているが
それは大きな勘違いである

この言葉が何の本のどのような位置に書かれているかを考えれば
その答えの本質は自ず見えてくるであろう

ずばりこの言葉は福沢諭吉の著書「学問のすすめ」の冒頭に出てくる
そしてその本来の意味は
「人は生まれたときは平等であるが
学問をする者は優れた人間となり
学問をせざる者は劣った人間となる
だから学問をせよ」
ということなのである

確かに生まれついての学問の自由を
説いているあたりまではよさげに聞こえるが
人間の優劣は学問によって決定されるという論は
優れたものが劣っているものを支配してよい
という選民思想そのものである
これを自由と平等のスローガンのように思っている奴は
甚だおめでたい

そして、福沢諭吉のこの考え方が最も現れたものが
「征韓論」である
つまり、当時、政治が腐敗しきって
中国の属国状態であり、先進国の文化を学ぼうとしない韓国を
日本は征服すべきだという考え方である
福沢諭吉はこの考え方を唱え広め
それが影響したかどうかは分からないが
結局、歴史の中で
日本は韓国を経済的に乗っ取り併合するのである

本来の意味も知らず
この言葉を用いる人権主義者を見ると
つくづくその無知蒙昧さに
笑いが込み上げてくる今日この頃である

モドル