共産主義国家にっぽん

世の中に共産主義を名乗る国はたくさんあるが
その実態はすべてファシズム、独裁国家であり
支配する層と支配される層
選ばれた人間と愚民
本物の共産主義国家なんて一つも存在しない
あえてひとつ最も成功した共産主義国家を挙げるとしたら
それは日本であろう

他の多くの国と比べてみてみればわかるが
金持ちと貧乏人の差が小さく
中産階級が異常に多い
こんな国は他にはまずないであろう
タイ王国なんかをみれば
路上で生活する家族なんかがたくさんいれば
遥か彼方の地平線まで続く宮殿みたいな家に住んでいる人もいて
貧富の差はむちゃくちゃ激しい
それに比べれば日本の金持ちと貧乏の差はとても小さく思える
まぁ中国にしても北朝鮮にしても
支配層は異常に金持ちだが
末端の農民などはめっちゃ貧しい
全ての人が平等であるはずの共産主義がどこにあるというのだろうか

良くも悪くも日本はアメリカに占領され
手渡された理想的平等主義と
もとから存在する母性的な社会思想
(身内の人間、つまり今の場合は日本国民
は仲間であり、助け合うのがあたりまえというような思想)
とを融合させ
無意識に独自の共産主義的社会を構築していったのである

しかし、そんな日本の理想的な共産主義的社会制度も
最近の日本社会の個人主義化、アメリカナイズによって徐々に破壊されつつある

その破壊されつつある代表的なものが年功序列制度である
年功序列はその人間の能力に関係なく会社に勤めている年数によって給料が増加し
駄目な人間でも生きていける実に共産主義的な制度である

しかし昨今は不況による経営の効率化にかこつけて
年功序列に関係なく能力のあるものに給与を払い
能力のないものは給与をカットする
つまり駄目な人間、弱者は貧しく生きろ
というような制度を取り入れているところも多くなってきている
しかし、結局100倍の仕事をしたからといって
100倍の給料をくれるわけではなく
100倍分の仕事の量をずっと次回に繰り越して成績を見てくれるわけでもない
次回成績が悪ければ給料ダウンである
つまり、人間の一番仕事ができる時期が過ぎれば
ポイ捨てしてもいいような制度なのである

アメリカのように個人が
電子レンジに猫を入れたら死んだどうしてくれるんだとか
たばこで肺ガンになった責任取れとか
気軽に企業を訴え、勝訴できるような社会であればこの制度もよいかもしれない
だが、今の日本では企業に優位を与えるだけである

まぁ実際、先進国?アメリカでも一般的には
仕事の能力のある人間でなく
要領のいい、八方美人、二枚舌タイプが結局は出世するらしい

アメリカ的方法に
誰もが自分の能力を正当に評価してくれる制度だと
憧れを抱いているのかもしれないが
評価するのが人間である限り
そんなものはユートピア夢物語にすぎない

能力があっても不器用な者は
利用だけされて捨てられ
能力がなくても容量のいい者は
他人の能力を食い物にしてのさばる
そんな社会になっていくだろう

従来の日本企業はまさしく日本母性社会の象徴であった
できる人間、できない人間が助け合うファミリーであった
一つの組織に入ったならずっとそこに奉公していくのが普通であった
しかし今や、もといた組織の技術を次の組織に持っていくのも普通
裏切りという言葉すら死語である
もう唯の利益を追求のためだけに集まっている群れなのである

そして
多くの法律、税制が一見正当に見える資本主義的合理主義によって
経営効率化の名のもとに改変されていき
駄目な人間を、できる人間が助ける社会は薄れ
駄目な人間、弱者は切り捨てられ
できる人間にせせら笑われる

そうなりつつある

モドル