不妊治療

もともとは
子供が欲しいができない夫婦の欲望を満たすための技術
であったが
現在は
異性との関係なしで、ただ単に子供が欲しい
賢くて、かっこいい子供が欲しい
等の欲望にまでもその技術は拡大されようとしている

アメリカでは
IQの高い人、容姿の良い人の卵子・精子など
多種多様な要望にこたえる商品が売られ
タマごっち感覚で自分の子供を作る
自分の卵子・精子を使わないだけでなく
他人の子宮を借りて子供を作る者もいる

子供が欲しい人に子供を作ってあげる
それはほんとに善の行為なのか
いや、それこそまさに悪魔の行為ではなかろうか

もともとこの世では親のいない子供と
子供のできない夫婦は
需要と供給のバランスをとり
親のいない子供は
子供のいない夫婦に引き取られ
子供のいない夫婦は
親のいない子供を引き取り
うまく共存し生きてきたのである
ところが現在は不妊治療の技術が進み
親のいない子供の需要は少なくなってきている
そういった子供たちはどうすればいいのか
両親をクローンで作ってあてがってやればいいのか

そして、一番重要なのは
子供ができないということは
自然界において遺伝子が滅びの方向に向いているということであり
つまり、自然から子孫を残すなという無言の圧力を受けているのである

そういった夫婦が無理に子供を作るということは
お互いの遺伝子を絡め合い
より優れた遺伝子の種を作り出し
人間が絶滅するのを防ぐ
という大自然界の流れに逆流するものであり
できあがった子供は人間として弱い遺伝子を持ったもの
つまり、絶滅し易い種である可能性があるのだ

神に逆らい欲望のために質の悪いかもしれない人間をわざわざ作る行為
それが不妊治療である

しかし
それならアメリカの様に
できのいい精子と卵子を買ってきて
子供を作れば質の悪い子供もできないのではないか
などという人もいるかもしれないが
質のいい人間を作るということは
そんなに単純なことなのだろうか
ただ単に頭の良い人と頭の良い人を掛け合わせれば
それで頭の良い子供ができるのだろうか
そして、できたとしても
果たしてそれが本当に優れた人間だと言えるのだろうか

自然の仕組みはそこまで簡単なものではなく
何万という精子が競い合い
天文的数字の偶然で出来上がった人間より
優れた人間などできるわけがない

モドル